270人が本棚に入れています
本棚に追加
「分かった。
だが最期にもう一つだけ質問に答えてくれ。
今度は2人同時に質問するから分かったら即答えてくれ」
空がそう言うとボロボロの方は渋々と言った感じで頷いた。
それを見た元からいた巧も素直に頷く。
「じゃあ、質問するぞ。
巧がやってる部活は?」
「バトミントン」
「バトミントン」
空が質問すると一瞬早く、元からいた巧が答え、遅れてボロボロの巧が答えた。
しかしその差はものすごく僅差で、ボロボロの巧が元からいた巧が言ったのを、聴いてそのまま言ったとは思えない。
つまり、空の最期の質問は意味がないように感じられた。
しかし、その時
「多分だけど、どっちが本物か分かった」
そう空が呟いたのが聴こえた。
一瞬幻聴かと疑うが、周りの皆も驚いた顔をしている。
あれだけの質問で分かったのか?
疑いと驚きの表情を俊介は空に向けるが、その顔はまだ完璧にそうだと決めかねている感じでもあった。
「ちょっとお前たちはここにいてな」
空はそう巧たちに言うとクラスの皆を呼び、教室の端に集まった。
最初のコメントを投稿しよう!