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「そりゃあ、もとからこの教室にいた方が本物だろ。
なんせ、まだ始まってない時点でもう俺達の前にいるとは思えないし
それにいくらなんでも入ってくるタイミング良すぎだろ。会見終わってすぐじゃねぇか」
名乗り出た男――三宅浩二はそうだろと言った感じで周りを見回す。
皆はそれに同意するように首を縦にふった。
「そう、じゃあ質問変えるけど皆は他のクローンがなんでこの教室に入って来ないって思ってる?」
「そりゃー………いくら何でもこの人数に向かって1人で乗り込むのは危険だと判断したからだろ」
浩二が少し考えたてから答えを告げると「そうよ」と茜は頷き、言葉を続けた。
「そこがまず引っ掛かる一つ目の点。
いくら何でも協力し合わないクローンが1人で私たち全員の前に現れるのは明らかにおかしい。
まるで自分を殺しに来てと言ってるようなものよ」
「けどさ、おまえは知らないだろうけど、あいつほとんどにおいて猪突猛進な性格してるんだぜ。
クローンが性格も同じなら単身大人数で乗り込んでも可笑しくないはずだ」
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