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「あぁ~、確かにあれは奇妙だったな。まだ何のためにやったかは誰も教えてくれないし」
俊介は今日何をやるのかという疑問を一旦脇によせ、確かにと空に同意した。
嫌な予感まではしないものの奇妙と言う点では同感だ。
しかし、真優は何が奇妙か分からないようで首を傾げてる。
「なにが変なの? 私粘膜とる健康診断したことあったと思うよ。普通じゃない?」
「いや、確かに粘膜を採取するだけの検査は確かにあるよ。
例えばインフルエンザにかかってるか調べるのも鼻の穴から粘膜を取り出すのが基本的な検査法だ。真優もそのことを言ってるんだろ?」
真優は何かを思い出すかのように少し上も向くと肯定の意を持って首を縦に振った。
「やっぱりな。だがなそれはあくまで検査であって診断ではないんだ。
もしかしたら、健康診断でやることもあるかもしれないがそれだけをやることは基本ない。
それに不自然なとこはそこじゃないんだ。」
そこで一旦空は息をつく。
話続けてちょっと疲れたのだろう。
しかし俊介は空が勿体つけている様に感じる。
俊介にとって不自然に思ったのはあくまで粘膜採取ということしかやらなかった単調な検査方法。
それ以外に何か変な点があったかは思い当たる節がない。
俊介は首を傾げつつも、空に苛立ちを覚えていた。
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