三年後-其の弐

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氏真「男子足る者、助平を表に出してはなりませぬからな。心の中で思っていればそれでよいのです。」 「それをムッツリと言うのじゃ。それに男子足る者、隠し事は良くないぞ。」 氏真「いやいや、男子はそのような心は隠すべきです。平安の御世の藤原の…。」 (又始まりやがった。小難しいことを並べて有耶無耶にしようとしやがる。) 氏真はここ三年で大分俺らのあしらいが上手くなっていた。 俺らがくだらないことで氏真に反対すると、氏真は『何々の御世の~』からで始まる何やら昔の小難しい話を持ち出して俺らを煙に巻く。 まぁ、氏真も藤堂家に、俺らに慣れてきたということか。
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