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リザ)とりあえずこれで大丈夫かしら…
嵐で荒れる夜の海の中、船から投げ出された人を運び上げるのは結構大変だった。
街灯もない暗い浜辺では、顔もよく見えない。
だから、誰かもわからない。
だが、リザは、その人が心配でたまらなかった。
人魚は人間に姿を見られてはならないのでは、と思いつつ、せめて目を覚ますまで…
なんて考えながら、その人を自分の膝枕に寝かせると、近くの岩にもたれかかって自分も寝てしまった。
リザ)ん…
目を開けなくても、辺りが明るくなっていることはわかる。
一晩眠ってしまった。
そういえばあの人は…と思って目を開けると、世界が丸々90°回転している。
リザは横になっていた。
びっくりして飛び起きると、頭に固いものが当たる。
リザ)いたっ
?)あがっ
頭の上の障害物を避けて起き上がるとそこには昨日助けた人らしい男性がいた。
リザ)た…いさ…!
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