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ロイ)いたた…おはよう、リザ
さっきまで頭の上にあった障害物は、ロイの頭だったようだ。
リザの頭がロイのあごにクリーンヒットしたらしい。
リザ)なぜ…大佐が…
ロイ)それはわたしが聞きたい…というか…あの…
リザ)何ですか?
ロイ)こ、コレ羽織っとけ…//冷えるだろ//
ロイは、自分の着ている服をリザにかける。
リザ)あ、ありがとうございます…//
もちろん体が冷えるのも心配だが、ロイが服を渡した一番の理由は、理性を保つためである。
まだ少し濡れている綺麗な金色の髪、白い肌、少し不安そうな目。
ロイの、せめてもの配慮だった。
ロイ)で、話は元に戻るが…これは夢なのか?
リザ)私も最初はそう思っていました。でも、夢の中で眠りますか?
ロイ)…寝ないな。
リザ)夢の中は痛くないはずですよね。でも…
ロイ)あぁ…痛みを感じた。
リザ)…夢の中ではないようですね…
ロイ)リザは今までどうしていたんだ?
リザ)私は、気がつくと海の中にいました。そして嵐が来て、大きな船から人が落ちたので、その人を陸に運び、目覚めるのを待っていました。そして、今です。
ロイ)で、助けられたのがわたしか。ありがとう
リザ)いえ…大佐は?
ロイ)わたしは、船のベッドで寝ていて、起こされた。船ではパーティーをやっていて、わたしは王子と呼ばれていた。さっぱりわけがわからなかったがな。で、嵐が来て、海に投げ出され、君に助けられた。目が覚めたら誰かの膝に寝ていて、顔をよく見たら君だったから、びっくりしたよ。わたしが体を起こすと君はそのまま倒れてしまったから、わたしが代わりに膝枕していたというわけさ。
リザ)…"人魚姫"…?
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