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ショウ「今起きたの?」
『うん』
電話の相手である唯は照れた様に笑いながら『日曜日だから良いの!』と続けた
携帯からはガサガサと音が聞こえる
もしかしたら、まだ布団の中に居るのかもしれない
『今ひま?』
唯の問い掛けを聞きながら自分の部屋を見渡す
ショウ「暇…かな」
俺の応えを聞くなり唯は嬉しそうに話しだした
そんな唯に相槌をうちながら散らかった部屋を歩きベッドに向かう
唯は楽しそうに入学したばかりの高校の話をしている
『翔は元気にやってる?次はいつ帰って来るの?』
悲しそうに尋ねる唯の声を聞きながら、ゆっくりと目をつぶる
会いたいと思ってくれる事が嬉い
だけど、どうしようも出来ないこの関係がもどかしくて、辛い…
布団を力強く握りしめた
ショウ「今は忙しいから、次の長期休暇に帰るよ」
出来るだけ明るい声で応える
『え~;色々話を聞いてもらおうと思ったのに』
声を聞いただけで、唯が今どんな表情をしているか分かる
多分、少し口を尖らせて拗ねてる
ショウ「家に帰らなくても毎週電話してきてるじゃん」
家を出てから2年が経つというのに、唯は毎週の様に電話してくる
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