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突然手を握られたため驚いて肩が震えた
ダイスケ「泣かせちゃってごめんね」
先輩はそのまま私の手を引いて歩きだし、校舎の横にあるベンチまで連れて行ってくれた
なんの躊躇もなく私の手を握った先輩
そこに恋愛感情などないことは明白だった
先輩…
先輩の瞳には誰が映ってるんですか?
私は…少しでも映っていますか?
隣に腰掛ける先輩を気づかれない様に見つめる
先輩は真っ直ぐつい最近までサッカーをしていたグランドを眺めていた
そして、その姿を見た瞬間に思ったんだ
大輔先輩は葵さんと護ったサッカーと彼女の事しか見えていない
悔しくないって言ったら嘘になる
だけど、もし…奇跡が起きたとして先輩が私の事を好きになってくれたら
本気で喜べるのかな?
トモカ「先輩は…葵さんのどこが…好きだったんですか?」
途切れ途切れな私の言葉にじっと耳を傾けてくれた
そして、優しく微笑むとさっきまでと同様グランドに視線を戻した
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