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ダイスケ「…わからない」
トモカ「…え?」
…わからない?
まさかの答えに驚きを隠せなかった
先輩からは葵さんを大切に思う気持ちが凄く伝わってくるのに
わからないって…
ダイスケ「凄く大切で、隣に居るのが当たり前だった。
笑った顔や俺の名前を呼ぶ声を全て鮮明に覚えてるよ」
先輩は大切な思い出を振り返るかの様にゆっくりと話す
ダイスケ「だからこそ分からないんだ。
どこが好きだったのか…。
全てが好きだったんだと思うけど、上手く言葉に出来ない。
俺にとって存在が大きすぎたのかもしれないね」
先輩は困った様に眉を下げて笑った
大好きになればなるほど、好きな所を見つけるのは難しいのかもしれない
それは、存在全てを愛していたって事で…
私にはまだ分からない感情だった
トモカ「最後に…一つだけ聞いても良いですか?」
ダイスケ「ん?」
この世で最も大切な人を亡くした貴方へ
トモカ「幸せですか?」
好きになるって多分自分だけの幸せを願う事じゃない
私は大好きな先輩が幸せであって欲しい
…それが私の幸せだから
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