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ある時、とある黒田家臣の家を益田与助が訪れた。
その家臣は、与助をもてなしたのだが……。
与助「いやぁ、ここの前にちょっと寄って来た所があってね」
同僚「あれ、益田さん、どこに行って来てたんですか?」
与助「他の同僚の所。ちょっと病気らしくて、お見舞いにね……」
同僚「病気!?大丈夫なのですか、その方は!?」
与助「聞いたことの無い病名だったから、助からないかも知れない……」
同僚「……そ、その病気とは?」
与助「医者は……『いんようのようかん』とか言ってたっけな?」
同僚「『いんようのようかん』?……よ、羊羹……?」
不審に思った同僚が後日、確認をしてみると、
『陰症の傷寒』(いんしょうのしょうかん)の事であった。
これはただ寒気と動悸がするだけの病気で、漢方薬で十分に治る物だったとさ。
黒田官兵衛は与助の功績は一万石の所領を与える価値がある、と考えていた。
しかし読み書きが出来ない為に、三千石しか与えなかったそうな。
それでも十分な高給取りだが。
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