1.脳内メーカー

10/14
前へ
/16ページ
次へ
なぜなら、自分の長年の悩みである勉強について、一気に解決してくれるものと巡り会えたからだ。 そう。 雄輔はこれを使って頭のいいやつの頭の中を覗いて、カンニングしようとしているのだ。 こんな嬉しいことはない。 あれは、夢ではなかったのだ。 あの店は、誰かが必要としているときに現れ、誰かが必要としているものをくれる最高の骨董店だったのだ。 興奮冷めやまぬまま、雄輔はメガネをかけてみることにした。 しかし、視界は全く変わらなかった。 「まさか、うそ…?」 雄輔は不安になってきた。 そのとき一階から、 「ご飯できたよ~。」 という母の声が聞こえてきた。 雄輔はメガネをズボンのポケットに入れ、一階へと向かった。 リビングに入ると、父と母と姉が椅子に座って待っていた。
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加