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『…聞いた?副長の話』
『―――あぁ、副長が新しいコ、連れてきたってやつ?』
『…そ。なんでもそのコ、イケメンらしいよ♪』
『あ、あんたはソコなの?!アタシは…規則に厳しい"現代 鬼の副長"のセツナさんが…って所に興味あったんだけど。』
『え…』
『だって…誰よりも任務時に一般人に見られないように気をつけるあの方だよ?』
『でも真夜中の街灯少ないトコだったらしいし…』
エレメントの中では、朝から専らこの話で持ちきりだった。
原因は勿論、そう…規則に厳しく、一般人に任務の遂行を見られまいと誰より気を遣うセツナが、任務を見られ、見た者を連れ還ったことだ。
『…あっ』
その話に花を咲かせていた女戦士の一人が、セツナの影に気づき、周りの戦士達に示す。
すると、皆一斉に道をあけ、
『お疲れさまです、副長!』
と頭を下げる。
「…!」
この異様な光景に、貴大は驚きを禁じ得ない。
「あの…セツナ…さん?これは…」
貴大の問いかけをよそに、セツナは黙々と歩き続ける。長い廊下を、風を切って歩く。
ふと、セツナが立ち止まった。 これまた大きな扉の前だ。しかし今度は、セツナが何かする前に、「入れ」という声がどこからともなくし、自動的に扉が開いた。
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