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――――――――――。
時間が、止まった―――。
貴大には、空耳を疑うことしかできなくて。
「…貴大くん…?」
「・・・」
「…貴大くん、受け止めて」
「…僕…あんなのと闘う自信、ないよ」
そう言って貴大は俯いてしまう。
「さっきだって…セツナさんが来なかったら、無抵抗で死んでた」
「いいもの、見せてあげる」
言うが先か、セツナはポケットから何か取り出すと、時計の容量で手首にはめた。
「これね、システムPC。腕時計に見えるでしょ?でも、ホントの使い方は、時間を調べるために非ず、よ。こっちきて」
「あっ、ちょ」
セツナは貴大の腕をむずと引っ張り、自分の方へ引き寄せる。そして、
「―こちら、コードナンバー1028、セツナ。任務を終了、帰還します」
「―セイモントコードナンバーヲカクニン。テンソウヲキョカシマス」
「―規定177により、私の全責任のもと、一般人を伴います。構いませんね?」
「―ワカリマシタ。ソレデハ、テンソウヲカイシシマス」
突然、2人は青い光に包まれた。
「ぅ、わ」
戸惑う貴大の腕をセツナはそっと掴み、その瞬間を待つ。
数秒後、手品とでもいうように、2人の姿は跡形もなく消えた。
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