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二人の内の一人。
アホ毛を一本立たせたブラウンヘアーの少年は、傍らでやたら楽しげに話す友人の話に、耳を傾けていた。
「…あ、じゃあさっきの続きな。委員長が俺に言ったジョークなんだけどさ。これが結構ウケんだよ」
「へぇ、どんなの?」
少年が尋ねると、友人は物言いたげな表情をつくる。
そして、一度咳ばらいをしてから、釣り上がった口をゆっくり開いた。
「…ある娘が、『ねえ、ママ。この前、天使には羽があってお空を飛べるっていったよね』と母に尋ねたんだ」
「すると母は、『ええ、言ったわよ』と何事もなく答えた」
「次に娘は尋ねた。『さっきパパの会社に行ったでしょ。ママがトイレを借りている時、パパが隣の席の綺麗なお姉さんに、"君は天使のようだ"と言ってたよ。あのお姉さん、いつお空を飛ぶんのかな?』、と」
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