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「僕と密接かつ近親的な関係になってください!!」
頑張った。俺は頑張ったよパトラッシュ。
確かに、屋上に呼び出してから自分の想いを伝えるまでに三十分以上もお互い無言の時間が続いたさ。
要するに恥ずかしかったんだ。俺はシャイボーイ。
遂に意を決して口にした言葉も、なんか駄目だった。ニュアンス的には間違っちゃいないと思う。
しかし!!しかしだよ!?
俺は過去16年間、告白なんて大それたこと、したこともされたこともなかった。好きな子と目が合った日には、明らかに不審な動きで顔をカクカクと逸らす……そう、所謂草食系男子。シマウマみたいな。
そんな俺が!!喰われるだけで終わっていたゼブラな俺が!!
告白……いいじゃない。素敵じゃない。
形なんてどうだっていい。言葉なんてどうだっていい。
俺は自ら、1つの鎖を引きちぎったのだ。
今の俺は例えるならば……そう、トムソンガゼル。
ただ草を食むだけで終わらない、崇高な出で立ちと誇りを持った、大草原の駆ける象徴。
草食は草食でも、美しくしなやかな、強い角を携えた獣に、俺はなれたのだ。
俺は、そんな自分自身に、讚美と祝福の言葉を……贈りたいと思う。
「ごめんなさい」
まぁアレだ。恋愛は結果だけが全てじゃない、どんまい。
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