第一話

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暗闇の中、ぽつんとうちが立っている 見渡しても歩いてみても何も変わらない。何もない 「ここは…ぁ…」 奥の方に光を見つけた。 とてもあたたかい光… うちは走ってあたたかい光に向かう。 あたたかい光はたくさんあった あたたかい光は人の形をしていて見覚えがあるものばかりだった… 光に手を伸ばすと光は消えた 淡く揺らぎながら苦しげな顔をして…消えていった。 他の光も触ろうとすると消えていく…皆苦しげな顔をしながら… 最後の光は…この光は… 「お母さん…?」 光は一回だけ揺れた うちは光に手を伸ばした…今度は消えない お母さんはニッコリ笑っていた。幸せそうに… うちもニッコリ笑った でもお母さんは次の瞬間苦しげにもがき始めた うちは慌てて泣きそうになった お母さんは消える直前に言った。 「貴女を産まなければ幸せになれたのに」 その声を境にたくさんの声が聞こえてきた 「化け物!」 「ち…ちが…」 「鬼の子!」 「違う…」 「怖いわね…」 「止めて…」 「気味悪い…」 「止めろ!」 「目があったら呪われる」 「いやだ…!」 『なんでこんな子が産まれてきたんだろう』 …………… ッッ!! 「いやぁぁぁぁぁ!!」 ガバッッ!!…ズル、ボサッ 勢いよく起き上がったせいで布団が落ちた 「ぁ…ハァ…ハァ…夢…ハァ」 足に汗が落ちる。 それと同時にしたから何人かが急いで上がってくる音がした。 ドタドタドタドタッ 「…?」 何かと思いドアの方を見ていると バンッ! ドアがいきなり開いて人が入ってきた 「ぅぅぁあぁさぁひぃぃぃぃぃぃぃぃ!!何か出たかぁぁぁぁぁぁぁ!?」 ウザいのが来たようだ… それに続き他にも入ってきた 「亜佐姫!?!?変質者が入ってきたか!?」 「大丈夫!?まさか変質者に襲われたの!?」 「どうした!?まさか俺が出した宿題が破けたのか…!?」 「どうしましたか!?!?まさか…何か割れたんですか!?」 ……何の騒ぎだよ!?てかどんな勘違いしてんの!? つかッ 「あんたらの頭の方が大丈夫!?」 『…ぇ……』 みんなの動きが止まって沈黙が続く。
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