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…つべてーなっっ!!
ナニしやがるこのクサレババァ…ってぇペッペッッこれ塩水ぢゃねーかっっ
…御免なさい弥優。私もこんな事したくないの本当は。でもね、貴女の脳髄の中には酷く汚わらしくて残忍で暴力的な悪霊が居るの。だからお清めの聖水をお母さん貯金叩いて買ってきたのよ。弥優が可愛いから。弥優が大事だから…ううん、お父さんよりよっぽど大事なの。あの人にはお酒さえ在ればいいの。でもお母さんには弥優が居ないと駄目なのよ。だって宝物ですもの。
…おいババァ…こんな只の食塩水に幾ら注ぎ込んだンだよ…
そんな事弥優が気にしなくていいわ。只、お父さんには内緒よ?絶対よ?…でないと又弥優が酷い目に遭うもの。
バカタレ!バレるに決まってンぢゃあねぇかっ!
貴様はどうせ傍らで泣いて居るだけぢゃねーか!汚わらしくて残忍なのはどっちだゴラァッッ!!
…弥優…。やっぱり貴女の身体其のモノが祟られて居るのね。一度あの方にお祓いして頂かないと駄目ね。
ハァ?貴様は新興宗教にカブレテどんだけ金使う気なンだよ?…マジ張ったおすぞ?
アアアッッ!!
イケナイわっっ!
悪霊がっ汚れがっ…
…サイテーだな…
都合の悪ぃ事を眼に見えないモノのせいに迄押し付けンなンて…
…手前ェ終わってンよ
…どうかどうか弥優から消えて!早く私の弥優を返してっっ!
…もうイイぜ。好きなだけかけな。其れで自分の罪でも購ってろ。
自分の卵子が半分腐ってマシタってな!
はて?なーしてこうなった?
アァシは至極真っ当だぜ?
此の脳髄と身体は生まれた時から付いてきたンだぜ?
ババァは一生夢見て暮らせばよかろう。
生涯叶わぬ夢を。
アァシは此れでイイよ。
自分を殺しながら生きる位なら、貴様等を敵と見なすものすべてを壊してやんよ。
…夢うつつ…白昼夢…
なんだコレ?
…あ?
何か居るぞ…ッッてコイツッッ!
忘却した筈の厭な記憶と倦怠感で頭がぐわんぐわんしたが、辛うじて眼前のボヤけた人間に下段で足元をすくった。
ドス
呆気なくソイツは180度転び 、酷く驚いた様で硬直しながらアァシをボーゼンと眺めて居た。
月明かりだけでは顔迄解らぬが、図体からして野郎だ。
「…貴様…ババァの刺客か?」
ぐわんぐわんとする頭を竹で支え、立ち上がり憎々しさと嫌悪を込めて睨み下した。
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