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夜明けって案外無感動なモノなンだな。
どうでもイイが何時間座って居るのだか尻が痛い。
まぁ…俺がトチ狂った事を云ったのが悪いのだが、何故にコノ娘もこんな薄明るくなる夜明け迄隣でくつろいで居るのか。
通報されるか放置されるかと踏んで居たのだが…全くやる気の欠片すら感じられない欠伸をしたかと思いきや、何だか真剣な眼差しで膝の瘡蓋を掻きむしり始めたり…丸で俺の存在すら端から無きモノの様である。
正直、意味不明な我慢比べも限界な気がする。
しかしながら物凄い緊張感が横から威圧してくるかの様で何だか恐縮して仕舞う。
情けない…と思う事すら、只もう面倒臭い…。
「くたばりたいか?」
ボリボリ膝の瘡蓋を掻きながら顔すらこちらに向けず独り言の様に彼女が吐いた。
長過ぎる沈黙がお通夜の様で感覚が麻痺して仕舞ったのか、いきなり投げ掛けられた言葉にそう簡単に反応出来ない。
「くたばりに来たのか?」
次は真っ直ぐ俺を見据えて云うが、其の眼は既に死んでいる様に真っ暗で穴の様で覗いてはイケナイ闇を見て仕舞うおぞましさを感じたので視線をすぐに外した。
「……ぁぁ」
自分で無茶な頼みをしといてアレだが、身体が萎縮して返事を絞り出すのが精一杯だ。
マジ殺られる
多分コノ娘はイカレてる
竹藪でもあの様だ
きっと無茶な事でも遂行する
死因位きちんと決めておくべきだったか…
い、今更無駄に後悔します。
「だったら貴様くたばる前にババァ殺ってくンないか?安心しろ其の後貴様は竹藪にでも生き埋めにしてやんよ」
……矢張りイカレてる
ナニ便乗して更に無茶振ってくンの?
「どーせくたばるンだろ?だったら捕まる心配なかろう。恐らくアァシは未遂は既に起こしてっけどなぁ…ババァごときに完璧な殺人犯に昇格したかぁないのでな。うむ。矢張り其れがイイ。どうだ心置き無く殺ってこいや」
…もう自己完結してるのかよ
無駄に…輝いて居るよ君は
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