オマケ付きの人生

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朝はいつだって爽やかでない。 俺の朝はいつだって苦痛でしかない。 夜は夜でおぞましい。 一度深夜ふと眼を覚ましたら、母親がドアの隙間から覗いていた。 引き出しを開けられていた形跡もある。 勝手に開封された手紙はザラだ。 中学生当時、仲良くなった女の子からの手紙を見た母親は豹変したように破り棄てた。 父親は葉巻をふかしながら、経済新聞で顔を隠して居た。 小学生だったガキの愚弟はテレビゲームに夢中になって、背を向けて居た。 恥辱と悔しさにまみれた俺は反抗する所か、土下座して謝って仕舞う始末だった。 勝てない 何故だか解せない。 俺にはいつだって勝つ事が出来ない。 いつか いつの日か この 余計なオマケ共に勝ちたいと 復讐心だけ、情けない反抗心だけ燃やして今日も出勤した。
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