―プロローグ―

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「アキ……ラ」 窓の外に目をやると、何時の間にか土砂降りになっていた。 厚い雲に覆われた空に、さっきまでのオレンジ色の光はない。 「じゃあ、僕帰るよ」 「アキラァァ……」 ボクの名前を呼び泣き崩れる少女を背中に感じ、逃げるように薄暗い教室を出る。 雨は一層激しくなり、耳障りなノイズが響いていた。 まだ梅雨は明けそうになかった―――
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