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神崎さんはタバコをくわえ、ぷかりと白い煙を吐き出した。
「俺さー、かっこいいし頭もいいし金持ちだろ?」
私は閉口してしまう。
むしろ、開いた口が塞がらない?
神崎さんと会った時、私もそう思ったけど。
自分で言っちゃうんだもんなぁ、この人は。
「それとも謙遜(けんそん)した方がいいか?
僕は全然実力も伴っていない未熟者で、医師になれたのも幸運だったからなんです!
僕なんて、本当に何の取り柄もないつまらない人間なんですよ?」
それを聞いた私は、眉をひそめて一言。
「似合いません」
「だろ?」
神崎さんイコール自信家っていうのはもう私の中では確定事項だし、悔しいけれど彼の自信に溢れた態度は魅力の一つとして重要な要素だという気さえする。
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