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「現実問題さ、着替えとか生活用品がなきゃ色々と問題もでてくるでしょ。私だって続きがやりたいゲームあるし、読みかけの本もある。だから一旦家に帰って色々と持ち出したいわけよ。それに家族にも一言言っておきたいし」
そこまで言うと彼は何を思ったのか、ふ、ふ、ふー、と不気味な笑みを浮かべるとおもむろに立ち上がった。
そして押し入れの襖をスライドさせて開き、中から段ボール箱を取り出した。
それを私の前に持ってくるとこちらを伺いながら段ボール箱の中から洋服を取り出す。
手に取った服を広げて見せられた私はあ、と声を上げた。
その洋服には見覚えがあった。まず間違いない。私の服だ。
慌てて段ボールの中を覗いた私の目に映りこんだのは、私の私物の山々だった。
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