159人が本棚に入れています
本棚に追加
夏真っ只中の空気がムシムシとした8月のとある日。
付き合って一年程になる彼氏の家で寛いでいた時だった。
「弥生、ちょっと左手貸して」
「うい」
彼の何気ない申し出に、ぼけっとテレビを見ていた私は特になにを思う事もなく素直に左手を差し出した。
そのままテレビを見ているとガチャリと謎の金属音と左手首になにやら冷たい感触。
「?」
その音と感触にテレビから目を離し左手を見れば、何故か左手首に刑事ドラマでよく見かける手錠。
ちょいと視線を上にずらせば満面の笑みを浮かべた彼の顔。
最初のコメントを投稿しよう!