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「………………」
ガチャガチャとヘアピンが鍵穴を動き回る音のみが部屋を支配する。
時間にしてみれば五分と掛からなかっただろう。
カチャ、という軽い音がしたと同時に左手首から重みが消えた。
脱出第一段階成功~、ドンドンパフパフー。
……さて、と。
私はゆっくりと立ち上がりドアまで近づき、そのままUターンした。
あっぶな!パジャマで外行くところだった!
慌てて着替え今度こそドアノブに手を掛ける。
ゆっくりとドアノブを回そうとして、
「あら開かない」
あれ?なんでだろ。
そこまで考えてはたと気付く。
鍵、かかってんじゃ~ん。
別に外からしか開けられないなどという特殊な鍵ではない、極々普通の鍵を楽々解錠し、ルンルン気分でドアを開けた。
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