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すっかり日も暮れふらふらとあちこちを歩き回っていた私は流石に疲れたので彼のアパートに帰ってきた。
ドアを開けようと手を伸ばすと、バンッと音をたててドアが勢い良く開く。
「わっ、」
間一髪、ドアの襲撃から逃れた私は唖然とドアを開いた主を見上げる。
そこにいたのは紛れもなく彼で、その表情は今まで見たことがないくらい焦燥に駆られていた。
「「…………あ、」」
目が合った瞬間同時に声を上げる。
「どうかしたの?そんな――」
顔して、そう言おうとしたけれどそれは叶わなかった。
彼に手を引かれ、勢い良く部屋のなかに連れ込まれると手加減無しにベッドに放り投げられたからだ。
「あだっ?!なにす、」
なにするの、その言葉も彼のお陰で最後まで発することが出来なかった。
なにがなんだか分からないまま彼に抱き締められる。
何時もとは違い、身体に痛みが走る程強く。
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