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でも監禁されてから四日が経ち携帯の話をしたあの時、もしかしたら彼はストーカーの存在に気が付いてしまったのでは、そう気付いた。
だって、メールが三通しか届いていないなんて、あり得ないから。
毎日毎日、五十通、否、それ以上届いていたメール。
彼といる間はずっと携帯の電源を切っていたからそこから気付く筈はないと思っていたけれど。
「俺、悪気はなかったんだけど、弥生の携帯、見ちゃったんだ。最近様子おかしかったし、いつも携帯を怯えたように見てたから……」
……普段通りにしていたつもりだったけど、小さなところでボロがでてたらしい。
「何に怯えてるのかどうしても気になって。それで、弥生がいないうちにこっそりメール見たら、未読メールが何十通とかになってて、その内の一通を見てみれば虫酸が走るような言葉が並んでるし。慌てて他のメール見れば弥生の写真が添付されたメールがじゃんじゃんでてきて。あぁ、だから最近の弥生、様子おかしかったんだって、やっと気付けて」
話しながら、彼が私の頭をゆっくりと撫でる。
気付けば私も彼を抱き締め返していた。
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