序章

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「サキちゃん、サキちゃん、起きてよ!」 「はうわっ!」  うう~誰だよ、私を起こすのは! ま、まあ、悪夢と言っても過言じゃない夢を見ていたわけだし、目覚めさせてくれたことに感謝しないとね。 「う、ここは水の中……わぷっ! げぼげほ!」  だぁぁ忘れていた! 今日は夏休み前、最後の体育の授業でプールの中にいたんだ! ふうふう、危なく溺れかけた……。 「サキちゃん、水面に浮いた状態で眠るなんて危険だよ!」 「あはは、ついつい……」  確かに水面に浮いた状態でグースカ眠るのは危険だよね――とまあ、そんなこんなで親友のアカネに対し、私は苦笑を浮かべる。 「おい、山崎! プールの中で寝るなんて、お前、何を考えているんだ!」 「水面に浮いた状態で眠るなんて朝飯前です! つーか、あれは私の特技のひとつでして……」  う~ん、イマイチ記憶がないんだよなぁ、水面に浮いた状態で何故、眠っていたのかってことが――。
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