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「さて、お前ら~今から平泳ぎのテストを行うぞ! 泳ぐ順は男子女子に問わず出席番号順だ……って、おい!」
「ん、誰かプールの中に飛び込んだぞ!」
私と同じ二年B組に男子は、ホントやる気のない奴ばっかり! 特に加藤亮太――通称、リョータなんてアクビをしながら、適当に犬掻きをしているか、私たち女子の水着姿をジ~と見つめてニヤニヤ笑っているか……っと、それはともかく。
「ねえ、サキちゃん。プールの中に今、飛び込んだのってC組の牧島君じゃない?」
「うん、そうだね。あの目つきの悪い転校生だね」
プールの中に勢いよく誰かが飛び込んだようだ――C組の牧島って転校生だ。
「わ、すごい! まるで某オリンピックの水泳選手みたいな速さだ!」
「一応、水泳部と掛け持ちしてるけど、あんな泳ぎ方は無理だなぁ」
私の友達のひとりである深山享子は、水泳部に所属している。そんな彼女でも、あんな泳ぎ方はできないって驚いているほど、あの牧島って転校生の泳ぎ方はすごいようだ。
「奴はイルカか! すごいぞっ! すごい泳ぎ方だー!」
「先生、関心していいの?」
「うぐぐ、と……とにかく! お前らも泳げーっ!」
――ったく、いい加減な先生だな、牧島君をほめておいて私たちには……まあいい、順番が来たら泳ごうっと。
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