序章

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「私もあんな風に泳いでみたいなぁ……」 「智ちゃんは無理だな! その大きな胸が浮き輪代わりに早く進めないと思う♪」 「キャ~! サキちゃん、やめてよー!」  ボーッと牧島君とやらの某オリンピックの水泳選手のようなすごい泳ぎ方をする牧島君を見つめている友人のひとり須藤智子――通称、智ちゃんの胸をギュウッと私は背後が鷲づかむ。 「よし、私も! 智ちゃん、覚悟ぉー!」 「わあああ、アカネちゃんまで! きゃああ、やめてよぉー!」 「おい、お前ら! 遊んでないでさっさと泳げ!」 「あ、でも、順番が……ってか、牧島君、まだ泳いでいるぞ」  牧島君はまだ泳ぎ続けている。なんだかんだと、三周はしているんじゃないかな? 私なら体力的に持たないなぁ。
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