序章

9/9
前へ
/171ページ
次へ
「俺を覚えていないだと!? チッ……記憶の継承は行われちゃいないようだな」 「はぁ!?」 「さて、もうひとつ訊くぞ。<死霊秘法(ネクロノミコン)>はどこだ?」 「う~ん、なにを言っているのかわっかんな~い……テヘ♪」  牧島君がなにを言っているのかさっぱりだ。それに、どう解釈していいのかもさっぱり……。 「貧乳、寸胴、短足、チビ……じゃあな、〝最弱〟の山崎」 「ぬ、ぬあああっ! 気にしていることぉ!!」  うわあああ! 私が気にしていることを散々言いながら、プイッと踵を返す牧島君に対し、激しい怒りを覚えた! あの野郎、次に会った時を覚悟しておけーっ! 「アイツ正論を言ってる」 「確かに! 山崎は他の女子比べるとチビだし、おまけに貧乳だし」 「ううう、お前らぁぁぁ!」  ぐぬぬぬ、牧島君に便乗するかたちで、私と同じ二年B組の男子たちも口々に……ゆ、許せん! 絶対に許さないんだからーっ!
/171ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10人が本棚に入れています
本棚に追加