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寝ぼけながら書いたそれは、意味不明な言葉の数々。 『この公式をあてはめる。答え……メロンパン』 ば、ば、馬鹿だ、私。 確かにメロンパンの夢見てた。 可笑しくて、ついつい声を潜めて吹き出す。 よし……。これは忘れないようにマーカーで引いておこう。 黄色の蛍光ペンで『メロンパン』の文字を太く染めていると。 「…………伊藤夏芽(イトウナツメ)。メロンパンは数学には関係ないぞ」 !? 突然子守唄を奏でていた筈の声が頭上から降ってくる。でもそれはさっきまでの緩やかな音ではない。呆れを全面に出されたそれに小さくなってノートを閉じ、そのまま顔を上げられない。
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