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「そなたの願いを一つだけ、叶えてやろう。信じる、信じないはそなたの自由じゃ。信じるなら、この絵馬に強い願いを込めて、この木に吊すんじゃ」
「えっ……?」
何にしようかと考え出す。
一生かかっても使い終わらないぐらいの大金?
不老不死の秘薬?
それとも……
不意に妹の顔が浮かんだ。
明るく元気で、いつも笑っていた妹の眩しいぐらいの笑顔が―――
―――絵馬を木に吊す。
「決まったな。その願い、確かに受けとったぞ。朝には叶えられておるだろう。………そなたはそろそろ、村に帰らねばならん………」
目の前が白い光に包まれた。
最後に神主が
「また会おうぞ、青年よ」
と呼び掛けた―――
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