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「あ、そうだ。昨日、店にいた男の子と女の子…あの子達は誰なの?」
「まさか…あなた達の子供…!?」
「そんなわけないでしょう。俺がお世話になった神社でお手伝いをしていた子供たちですよ」
この様子を物陰からこっそりと眺めている兄妹がいた。
「…兄ちゃん」
「…ん?」
「なんで山神様はあの男を助けたんだろうね…?しかも願掛けまでさせて…」
「あの男が妹を大切にしていから、じゃないかな。…でも、山神様のことは信じていなかったし…確かに不思議だよね。後で山神様に聞いてみようか。」
「うん!…あ、山神様が呼んでるよ」
「それじゃあ、行こうか」
身を翻して山に向かって走り出したのは、二匹の狐。
楽しげにじゃれあいながら走っていく様は、まるで兄妹のようだった、という。
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