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「しばらく休んでいなさい」
神主はそう言って襖を閉めた。
…少し…うとうとしていたようだ。
突然バタバタバタ……という音が響き、近づいてきた。
「神主様ー!ただいまー!!」
バンッと勢いよく襖を開けて女の子が飛び込んで来た。
「おぉ、お帰り。村はどうだったかい?」
「皆さん、心配しておりました」
「でもお店、楽しかったよ♪」
「そっか…」
早く村に帰りたい。
男は強く思った。
再び目を覚ますと、橙色の光が部屋の中に満ちていた。
日が暮れていく。
今年の最後の夕日が、沈んでいく。
思わず縁側に出て完全に沈むまで眺めていた。
傷口が痛むのも気にならなかった。
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