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外に出ると、暖かい空気が身を包んだ。
季節は、春だ。
家の門の前にはいつも通り、レイが立っていた。
俺の、幼なじみ。
本名は、本田怜奈。
俺や、家族はレイと呼んでいる。
「おはよう」
レイは、少しくぐもった声で挨拶をした。
「はひょ」
まだトーストを食べ終えていない俺はモゴモゴしながら言った。
「ちゃんと食べてからきなよw」
レイは笑ってるみたいだ。
…多分。
レイの感情は、声でしか判断できない。
8年程前からだろうか。
俺は、レイの顔を見ることが出来ない───。
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