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毛玉っ!?
もふもふした白い毛玉がそこに、あった。
大きさはバスケットボールくらいで、かすかに左右に揺れている。
えっと……さっきまでは無かったよね?
どっかから転がってきたのか……
ゆっくり近づいて、手を伸ばしてみる。
……ツンッ
や、柔らか~……
指先でつつくと、想像通りの柔らかさだ。
思わず顔が緩む。
こういう感触、好きだ~。
両手でそっと持ち上げてみると、思いのほか軽かった。
そしてほんのり暖かい。
……!
「ぅほっ!?」
突然それがプルプルと震えだしたので思わず手を離してしまう。
地面に落ちた毛玉は、ポーンと高く跳ね上がった。
よく見ると……あ、足生えてるし!
空中でクルクルと回転しているそれには二本の足。
それから一対の白い大きな耳もある。
嘘何これ生き物っ!?
てかウサギ?
渡り廊下の高い屋根に届く勢いで飛び回るのをボーゼンと眺める。
そして一際高く飛び上がったウサギもどきはフッと宙に消えたのであった。
その瞬間ちらりと見えたのは……
ビー玉みたいに光る、あの赤い目玉だった。
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