【毛玉】

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「バーカ。下手な言い訳してないで、なくしたんなら自分のじゃなく俺の買ってこいよ。」 バーカ、のタイミングでデコピンされ額を押さえてうずくまるあたしの手から、紙パックが抜き取られる。 「これは没収な」 「ああっ!」 まだ一口しか飲んでないのに! これ見よがしにストローをくわえ喉を鳴らして飲む水稀。 「あああ……鬼ーっ!」 あたしのオレンジが…… ……と、ポカンと開けた口に、ストローが突っ込まれる。 「武士の情けだ。最後の一口味わって飲めよ」 パクッ……じゅるっ…… 目だけ動かして見上げると、不敵に笑う水稀の顔。 てかこれ…… 「か、かんせ……」 「あ?」 間接チューじゃんかぁぁ!!
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