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「うーん……」
生まれつきうっすらと赤みがかかったセミロングの髪は、油断すると右だけ外巻きになる。
少し切り過ぎた前髪を引っ張り引っ張り、自室の置き鏡の前で唸ること数十分。
「無理だ。なんかもう作りからして違う!」
ドチャッ、とカーペット敷きの床に仰向けに倒れ込む。
せめてもう少し鼻が高いとかー
……左手で鼻を摘んでみる。
せめて奥二重じゃなくパッチリ二重だったりさー
……右手で目頭を押さえてみる。
………整形?
無理無理無理!!
お金ないし、何より怖いし!
……化粧?
化粧…化粧……凜子に教えて貰えば、なんとか……
「セラ姉の顔が崩壊してる」
「ふがっ!!」
慌てて飛び起き声の方へ目を向けると
「セラ姉の変な顔はそうやって作られたんだね」
襖の隙間から、妹・遥(はるか)の心底気の毒そうな顔が見えた。
「へ、変な顔って言うなーっ!」
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