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チャラ男こと佐古 水稀(さこ みずき)とは、いわゆる幼なじみな関係だ。
家が隣で背が高くて、結構なイケメン(凜子談)……とくりゃベタなラブストーリー展開かっ!?
と思いきや、全く!そんなこたぁない。ばかりかはっきり言ってコイツは天敵だ。
「っか、まじで未だに見れてないのか」
ええ、ええ、見れてませんとも。
水城には夢のこと話したことあったっけか。
小学生の頃だったかなぁ……
あー。
「あの頃は、可愛かったよなー」
中学に上がるまでは、あたしより背が低くて。
泣き虫で甘えたで、いつも近所のコに弄られては『せーらちゃん、せーらちゃん』って泣きついてきてたっけ。
それが今や……
「俺は今のが可愛いだろ」
「ぬはっ?」
いつの間にか凜子の席に陣取った水城の顔があたしの真ん前に!
「近いしウザいし!」
「ウザい言うな」
「あたしの思考読むな!」
「普通に声に出てたし」
いかん、キョドる。コイツのアップはいかんわ。昔から顔だけはいいんだ。顔だけは。
今はちょっと引くくらいピアスだらけだけど……
「てか凜子は?」
「委員長様はお前がトリップしてる間に森センに召喚されたわ」
「放送あったのも気付いてなかったのか」
「“夢のせい"か」
「黙れ双子っ」
けらけら笑う優と諒の机をガツンガツンと蹴飛ばし立ち上がる。
「おい、どこ行くんだよ」
「オレンジジュースおかわり!」
「次の授業始まんだけど」
キーンコーンカーンコーーン
「……」
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