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「皆の衆よろこべー。次は自習じゃあ」
チャイムが鳴り止むと同時にバーンと教室のドアが開き、入ってきた吉成 凜子委員長様は叫んだ。
「うぉぉぉ!」
「やったぁぁ!」
「ラッキー!」
一堂飛び上がってガッツポーズ。んが。
「プリントあるけどね。できなかった分は宿題」
「ぎぇぇぇ!」
「そんなぁぁ!」
「まじかぁ……」
ドーンと大量の紙の束が教卓に置かれると、嬌声は萎びた悲鳴に変わった。
「……とりま、自販機行ってくるわ」
自習でラッキーなんだかアンラッキーなんだか。
あんなの見せられたら余計喉渇いた。
「あ、俺いちごみるくね」
すかさず水稀。
「俺カフェオレ~」
「俺も~」
双子も続く。
「知るかっ!」
あたしゃパシリか!
スルーして行こうとすると
「お前の分、奢ってしんぜよう」
差し出される200円……
……
「……承知つかまつった」
「うむ。苦しゅうない」
ニヤリと笑う水稀からお金を受け取る。
……仕方ない。奢りの魅力に抗えるであろうか(いや、抗えない)。
「「俺らのは~」」
ハモる双子。
ちっ。ついでだしな。
渋々100円ずつ受け取ると
「私は100パーアップルね」
振り返ればにっこりと笑う凜子がいた。
お前もかっ!
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