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付き合おうというメールに返信をしてしばらく机に伏せていた。
ごめんね、花蓮…でも私も治樹が好きなの。花蓮は知らないでしょうけど、花蓮と付き合う前から治樹は私の大切な人なんだよ。
いろいろな想いが頭に浮かんで消えてゆく。
「ゆっこどうしたの?」
前の席に座った小百合の声で私は今、塾の教室にいたことを思い出した。
「佐々木、大丈夫か?顔色が悪いぞ?」
半分ほど黒板が英文で埋められているのをみると、授業が始まってそれなりに時間がたっているようだ。
「先生すいません、体調がわるいので早退します」
机に広げていたノートや教材、水色のシャーペンや白い消しゴムを学校の鞄に詰め込む。
周りの友達は心配してくれているがそれがよけい、私に罪悪感を与えた。
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