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学校の教科書や塾の教材のはいった重たい鞄をもち、私は塾から外へでた。
暗い空にまぶしいくらいの店の明かり。寒さの厳しい11月、無意識にあるくペースが早くなる。
顔を上げると反対の歩道に花蓮の姿が見えた。それと同時にすこし胸がチクリと痛み、心拍数があがった気がした。
今更私が花蓮にかける言葉なんか無い。
白い袋を両手に持ち、泣いたのか少し腫れぼったい目をしてすこしふらつきながら歩く花蓮。
なんとなくいたたまれなくなり、私は彼女からなるべく遠くに離れて歩いた。
信号待ちをする花蓮を横目に私は携帯を開いてSNSサイトを開き、なるべく花蓮を視界に入れないようにした。
正直サイトの内容なんか全く頭にはいらない。
ただ花蓮を視界に入れたくなかっただけ。
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