そして彼女は嘘をつく。

*彼女

ﾊﾟｿｺﾝに向かって作業していると、くすくす笑いながら利用者の吉田さんがやってきた。

「ｾﾝｾｲ、ﾃﾞｰﾀ入力のﾁｪｯｸ終わりました」

「おう、ｻﾝｷｭ。えーと……じゃあWordの自己学習に戻ってください」

はい、と笑いながら席に戻っていく吉田さんに、おいおいこんなｲｹﾒﾝに失礼だろ～と軽口を叩く。

どっと、利用者たちの爆笑が狭い部屋に響き渡った。