*3 幹部

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その右手には、"抜けなかったはずの刀"が握られている。 「お主は……」 と魔王が言おうとした時、 バタッ 少女は倒れた。 「……」 バッと手を振りかざし、扉の方へ火球を放った。 スタ、スタ、と倒れる少女にかけよる魔王。 そっと抱き抱える。 少女の額には、うっすらと三角形のような紋様が刻まれていた。 「やはり……これは……」 呟く魔王の綺麗な顔は、どこか切なそうで――― 「"鬼"…か……だとするとあの刀は……」 「……」 魔王は少女を抱き抱えたまま刀と鞘を拾い上げ、魔王の間を後にした。
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