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魔王城の中心、広場に、魔王と、その幹部5人が集まっていた。
「……」
魔王の傍らには、少女もいた。
「……」
沈黙が流れる。
「魔王様、その人間は?」
最初に口を開いたのは、魔王軍強襲部隊部隊長、『サーザル・セシアス』。
銀色の長髪が目に眩しい。
「……この少女は、"鬼"だ」
その一言で、幹部五人の目付きが変わった。
「……魔王様、今何と?」
魔王軍防衛部隊部隊長、『バーク=ルチア』が、口を開く。
「正確には、"鬼の血を引いている"……というのが正しいな」
「最初はこの少女の持っている刀……これに興味を持って……な」
「……危険です。斬り捨てましょう」
サーザルが腰に装備している二本の剣の内、一本に手を掛ける。
「やめろ」
魔王が止める。
「……」
しぶしぶ剣から手を放すサーザル。
「……で、その"鬼"……どうする?」
金髪の魔王軍侵略部隊部隊長『ミスト=タイズ』。
魔王軍の中で魔王に敬語を使わないのは彼女ぐらいだろう。
「ミスト……いい加減魔王様に敬語を使え」
そんなミストに釘をさすのは、魔王様軍戦術部隊部隊長『ヒコール・ドットレスト』。
もう何回注意をしているかも分からないが。
「この魔王城で、飼う……と言うのはちと言葉がおかしいか、私が育てる。」
「「「「は?」」」」
魔王軍幹部四人の間抜けな声が重なった。
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