*3 幹部

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「育てるって……」 呆れた様子のミストが、溜め息をつく。 「文句は言わせぬ、これは決定事項だ、部下達にも言っておけ」 矢継ぎ早に言葉を紡ぎ、反論を防ぐ。 「さって……、では、私は部屋に戻る」 マントを翻し魔王城の奥へ歩を進める魔王。 「……」 少女もとてとて、とその後を追う。 「……魔王様」 いままで黙っていた魔王軍軍団長、『クローディアス』が口を開いた。 「……」 魔王は立ち止まり、顔だけを横に向けた。 「………"鬼"の力は未知数。貴女に刃を向けないとは限りません」 「……ククッ」 魔王は、笑った。 「そのような事でビクビクしていたら、魔王は務まらんよ」 「……そうですか」 短く呟くと、一瞬で煙のように消えた。 恐らく空間移動の呪文だろう。 「では、戻る」 再び歩を進め、魔王と少女は城の奥に消えていった。 「……何を考えているんだ、あのお方は」 呆れ果てたような声でサーザルが言う。 「ま、何考えてんのか分かんないのはいつもの事でしょ……」 ルチアも項垂れる。 「大体、刀に興味があったというなら何故人間を……」 「分からないが、何か魔王様にも考えがあるんじゃないか?」 「だといいがな……」
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