*1 キリス町襲撃

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「きゃあぁぁぁ!」 「う、うわあああ!」 ドーン! 人の悲鳴と爆音が、キリス町に響き渡る。 今、キリス町は、魔物の襲撃にあっていた。 一人の男性が、翼の生えた怪物から逃げている。 「っが!」 男性は石に躓いて転んでしまった。 「クケケッ!もう逃げないのかー?」 翼の生えた怪人は、右手に持った剣を男性の首に当てた。 「た、助け……!」 「やだ」 怪人は短くそう言うと同時に、剣を振った。 また一つ、キリス町に死体が出来上がる。 キリス町はそれほど大きく無い町ながら、漁業が活発で活気があった。 それが今、辺りには死体の山。 見渡しても炎に包まれた瓦礫の山しかない。 突然ピシッ!と空間に亀裂が入った。 「ガーゴイル、お主は少し功を焦りすぎだ」 亀裂は大きくなり、空間が裂け、中からゆっくりと人が現れた。 いや、正確には『人』では無い。 「ハッ!魔王様!」 魔王、と呼ばれた呼ばれたその魔物は、人の形をしていた。 紫色の絢爛豪華な着物を見に纏い、首には蒼色の宝石のペンダントを下げていた。 「……さて、キリス町はもう制圧完了かな?」 「ハッ!魔王様直々に来てくださったとなれば、我らの士気もうなぎ登りでございます」 「ははっ……それは良い事だ。……うん?」 ふと、魔王の目に、ゴミ箱が映った。 「(……あの箱………)」 「どうかなさいましたか?魔王様」 「すこし黙っておれ」 「?ハッ!」 突然ゴミ箱に注目しだした魔王にガーゴイルは訳が分からず、ただ従う。 スタ、スタ、とゴミ箱に近づく魔王。
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