*2 魔王城

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「何か魔術でもかかってるわけでもなく」 魔王は手の上でくるくると刀を回し、 「なのに、なぜ抜けない?」 独り言のように、問いかける。 「答えよ」 静かに、しかし確かに、有無を言わさぬ声色で魔王は少女に。 「……」 だが、少女は答えない。 「あの時、お主はこの刀を抜いた。」 「それも、何か特別な事をせずに、すらりと。」 あの時、とは、キリス町襲撃の際、少女と魔王が対峙した時だ。 「もしやお主は……」 ドン! 魔王が何かいいかけた刹那、爆音。 「何事だ!」 魔王が玉座から立ち上がり、叫ぶ。 すると、魔王の間の扉が開き、傷だらけのガーゴイルが入ってきた。 「ま、魔王様!襲撃です!」 「……チッ」 魔王は小さく舌打ちをすると、少女の方に駆け寄り、 「お主は玉座の裏で大人しくしておれ。なに、すぐ終わる」
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