もう戻れない。

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彼が限界なのは彼自身が一番よく分かっているはずだ。 それなのに、彼は今日も自らの手でその身に罪を重ねつづける。 そう、その事実がとてつもなく嬉しい。 だって、彼を傷付けることが出来るのは俺だけなのだ。 彼のくりくりした瞳から色を消せるのも、彼を絶望の底に突き落とすことが出来るのも、全部、全部俺だけだ。 彼に哀しみを絶望を、そして、苦痛、快楽を与えることが出来るのは俺だけなのだ。
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