旅立ち

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久しぶりのお風呂にゆっくりと入り、三人は食事をしに食堂へ戻った。 なるべく目立たない壁側の席に座り、運ばれてくる料理に舌鼓を打った。 海辺の街だけあり、新鮮な魚介類の数々、時間が経つのも忘れる程だった。 ふと、近くの席からの声に耳を傾ける。 「賊が出るってよ、商人達は護衛を頼む程らしい」 「物騒だな」 「あら、でも金持ちか商人しか狙われないって聞いたわよ?」 「らしいけどな、どうだか解らないぜ?」 確かにその噂は砂峯の近くから聞いていた。 砂峯の対岸にある州は扇璃珠(センリシュ)海に囲まれた州で風習や言語が多少違っている。
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